マイナー・チェンジされたRickenbaker　ワイルド・サイドの男（ルー・リード）逝く

　

　俺のホーム・ページは「インド案内」の体裁をとっている文章をメインにしている。こちらのシリーズでは、一応エレクトリック・ギター（Rickenbaker）の体験記風感想文のスタイルで始めた。そうは言っても、日々ギターをかき鳴らしていたからと言って、日ごと目に見える様に上達はしない。報告する様な感想も、湧かないのだ。そこで、ここではその時々の興味に従い、自由に書かせて貰っている。ギターに関する話題も無いじゃないが、そのことに興味を持ってもらえる読者が、そうはいると思っていない。それでも、可能な限り音楽（ロックやポピュラー・ミュージック）や60年代後半〜70年代に顕在化した領域を話題にすることにしていた。そうすると、予想に反して話題可能な領野は、大きな広がりを見せ、俺的には、話題に事欠くことは無い。今回Rickenbakerのエレクトリック・ギターに就いて、なかなか書くチャンスが無かったことから書いてみることにした。超個人的に前から気になってはいたことで、定番のギターに部分的ではあるが、デザインの変更がなされていると言うことだ。

　俺が初めてエレキ・ギターを手にした1990年代半ばからすれば、早いものでそろそろ二十年になろうとしている。変わらない方がおかしいことかもしれない。もっとも、あるブランドのギターに起こったマイナー・チェンジなんて、大方の人には、どうでも良い話だ。基本仕様や音質など長年の様式に変化はないから、大したことじゃないと報告しなかった。音楽関係者が報告してくれると思い、雑誌を見たり、少し前にはインターネットでも検索をしてみた。

　しかしこの時代、エレキ・ギターのことなどに、人は関ずらわっては居られないのだろう。そのことに就いて、特別触れられた文章はなかった。それなら、俺が書いておくしかない気分になったのだ。

　

　数年前、ヴィンテッジ物のジーンズや革ジャン、バイクを特集したムックの表紙に、リッケンバッカのギターが登場した。‘ヴィンテッジ’と称しながら、そのリッケンバッカ（620）は何のことはない、マイナー・チェンジされたばかりの新しいギターだった。編集者が楽器に関心がなかったか、それにしても、関係者に古いタイプのギターを持っている者が、いなかったのだろうか。

　早速ページを繰って見た本文は、何時もの様に、ギブソンとフェンダーにグレッジが取り上げられ、それ以外のギター及びリッケンバッカに関しては「その他」扱いで、文章もギターに特別興味や思い入れはない記事だった。本文の写真も代理店から借りて、使ったのかもれない。せっかく、めったに紹介される機会のないリッケンバッカのギターが、アメリカン・ヴィンテッジの一本としてムックに載るのに、代理店から借り出された新品が掲載されていることには、落胆も驚きもなかった。それより、ほんの少し胸を撫で下ろさないでは、なかった。それは、60年代のレスポールやストラトが分けもなくヴィンテッジとして、高額で市場に出るご時世だし、そうでなくとも、今やアメリカ製ギターはとても高騰しているからなのだ。リッケンバッカのギターはビートルズ・ファンなど一部のかなり限定的な、やや趣味的な層の愛好家しかいないと言っても、過言じゃない。ファンで楽器業界誌の元編集者の俺が、かく言うのだから、ファンの方も納得済みだろう。そんなリッケンバッカがコレクターズ・アイテムになるとも思えない。俺はビートルズのメンバーでは、近年ジョージ・ハリスンを敬愛しているが、だからと言って、ジョージと同じ360−12を手にしようとは、思わない。最近グレッジが出したジョージ・ハリスン仕様のディオ・ジェッドや、有名ミュージシャンのシィグネーチャー・モデルも手にすることはない。何れ、ジョージの曲もコピーしてみたいと思っているのだが、それも自分のギター（660−12）で伴奏しようと思う。

　ところで、どの様にデザインが変更されたのか。最初、数年前に気が付いた変更は、ヘッド・ストックがスリムになり、指板のポジション・マーカーのトライアングルが古いモデルと様な頂点が指板から外れた鋭角的な三角になったことだった。同時に12弦ギターのヘッド・ストックの特徴になっている縦位置と横位置にペグを配置する構成にする、ヘッドに切られた溝−これにより、縦・横に糸巻きを配置しヘッドが小さくまとめられた−は、長らく変更が加えられることはなかったのだが、新たなデザインは、サイズはそのままに溝でけヘッドの裏まで貫通させている。変更は360、620のレギュラー・シリーズでなされている。

　近年、ヘッド・ストックを小さくデザインすることが、主流になっている。ギター全体のバランスからそうなっているのだろう。リッケンバッカのギターがヘッドをスリムにしたのは、そうした流れに対応したのかもしれない。過去にスリムなヘッドを採用したモデルもあるのだが、それぞれ時代の感覚が反映している、と言うことなのだろう。

　更に、この一年で気が付いたのは、620で、ボディ先端の角（ツノ）のカットが丸くなりベースの角に近くなったことだ。俺は620と660を使用しているので、よく見知っているのだが、新しいデザインは、かなり雰囲気が違って見える。この600シリーズの角のカッタウェイは、ファンはご存じの様にサーフィンの‘Cresting wave’−逆立った波頭−と言われる、彼の北斎『神奈川沖波裏』をイメージさせるデザインなのだが、新しいギターはそうした波のイメージからは遠ざかった感じがして、これまでの620とは別の感覚になった。何度も申し上げるが、リッケンバッカのギターを演奏するミュージシャンは、多くない。取り分け620は、テレビやステージでミュージシャンが手にするところを目撃する機会は、皆無に近い。細かい形状の変化など、ギター・ファンでも関心を持つ人は、これまた皆無と言っても間違いじゃないと、ファンの俺が言うのだから…　。（＊）
　　　　　　　　　

　　　　左　620　大きなヘッドのこれまでのレギュラー仕様右　660-12の6弦バージョン。、トースター・トップ・ピック・アップにコの字型フラットテイル
　　　　　　・ピース。小さいヘッドと指板のポジション・マーカーのトライアングル、ペグ、つまみなどビンテージ仕様、ミレニアム期にリリースされた

　なお、Rickenbakerに関するドキュメントに、俺も座右の書にしている『RICKENBACKER　Pioneer of the Electric Guitar　』（監修　大金直樹　1995年　株式会社リットーミュージック）と言うムックがある。このムックは、アメリカにも類書を見ないリッケンバッカ・ギターの紹介をした快書なのだ。初期から現在まで、各種モデルのカラー写真に加え、歴代のカタログを彩ったレトロな雰囲気抜群のスナップ写真、ギター細部や仕様の変遷、工房の取材にビートルズとリッケンバッカの密接な縁に関した読み物など、リッケンバッカと言うエレキ・ギターの、奥行きを体験させてくれる傑作だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　660-12

　唯一、難点と言えば、取り上げられたギターがヴィンテッジに傾きすぎ、聊かならずマニアックになっていることだろう。発行から18年経過し、ギター自体にマイナー・チェンジが進行している現在、最新版の発行が待たれるところだ。しかし、新版など出るはずは無いとも思っている。2011年Collapse into nowをリリースして解散したR.E.M.がリッケンバッカのギター・サウンドをベースにアルバムを作っていたのが、俺としては、近年では大きな出来事だった。そのことは前にも書いたが、調度、アルバムリリースが、3.11のほぼ同時とあって、R.E.M.の音楽は大きな空洞を抱えた俺らの胸の内、妙に符合して沁みた。そのアルバムのサウンド・キャラクターを決定付けていたのが、リッケンバッカのギター・サウンドだった。偶然、ネットでR.E.M.のアルバムのリリースとベルリン、ハンザ・スタジオ（HANSA TON STUDIOS）でのアルバム制作の動画を見たから、なおさら印象的だった。



　サイトの動画では、Rickenbaker360と620−12を使用して、実際に演奏・録音風景を見ることが出来た。ギター二本とも近年のハイゲイン・ピックアップ搭載のギターで、高音を生かしたエッジの利いた冷たいトーンを基調音にアルバムを構成し、前作Accelerateと同様のサウンドを継承している。リッケンバッカ・サウンドと言えば、大方初期ビートルズの日向臭いシャッキリ音がサウンド・キャラクターとして定着して来たが、R.E.M.は3.11以後、最も今的なサウンドにリッケンバッカのギターを生かし世に出したのだ。ボディ、ネックともメイプル−かえで−により、堅く縮まった音のリッケンバッカ−名前からも分かる様に、創業者はドイツ系アメリカ人だった−と、アルバムの制作場所にしたベルリンのハンザ・スタジオ−かつてU2がアクトン・ベイビー（AchtungBaby）のレコーディングで使った−が、北ヨーロッパの冷たい空気感で符合し、そのサウンドの凍え冷え切った感覚の基調を見事に表現していた。俺としても個人的に3.11後、心身ともに元気が出ず不調感を抱えて今日に至っていることもあり、その感覚がこころに沁みたのだ。

　

　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　ルー・リード逝く

　

　10月27日、LOU REEDが死去したことを、新聞の死亡欄で知った。以前ここで彼とMetallicaが競演したアルバムLULUに就いて触れたのは、3.11の後、間もなくのことだった。何か因縁を感じないではいられない。

　死亡の報を見て、早速同アルバムを聴かずにはいられなかった。ルー・リードのLULUは、R.E.Mアルバム同様冷え切った感覚に加えて、痛々しい暴力と血しぶきで彩った音楽だ。Velvet Undergroundでデビュー以来、現代都市のアンダー・ワールドを唄って来た彼の最晩年の力作だと思う。この感覚が違和感なく聴けると言うのは、3.11を経過したからだとつくづく思うのだった。

　ロック・ファンと言っても俺は、60年代後半ビートルを代表するブリディッシュ・ロックと、ドアーズなどに代表されるアメリカ西海岸のロックを、極東の日本で聴き始め今日に至っている、特別拘りを持つ様なマニアックなファンとは違い、ごく普通の音楽ファンに過ぎない。ルー・リードに関して俺は、グレッジのギターを弾いている姿を見知っている程度の、ファンと言う様なシンパシーはこれまで無かった。自分からレコードは愚か、CDもLULUがリリースされ初めて手にしたのだった。社会人になってからも俺には、ニューヨークの都会的音楽としての冷たいロックは馴染めなかった。ルー・リードに代表される、ニューヨークの都会的ロックは、Andy Warhol−俺に言わせると寺山修司と横尾忠則を足して二で割った様な特異な個性だった。また、ウォーフォールをはじめニューヨークのポップアートは、コンセプチャル要素が強かったのだ−の先入観もあり、理屈っぽくロックな感じがしなかったのだ。

　その後も、アルバムを入手して聴き込むまでには至らなかった。それが漸く2011年、メタリカとの競演と言うかたちで2枚組のアルバムLULUのリリースと同時に聴くことが出来たは、ラッキーなことだった。一聴するなり、思った。ひと頃俺は、アレン・ギンズバーグ−ニュー・ヨークの隣、ニュージャージー州ニューアーク出身だが、グリニッジ・ヴィレッジを根城にしていた−を始め、ケラワックの小説などビート派を読み込んだ時期がある。ルー・リードの歌い方や歌詞は、調度ギンズバーグの自身による詩の朗読−80年代後半、今ブログをやっている旧友Sが、かつてサンフランシスコから持ち帰ってくれたLPレコードで聴いた−と共通する、響きを感じ取ることが出来る。

　

　このLOU REEDのLULUは、彼のオリジナル戯曲を基にしたと、アルバムにクレジットされている。冒頭からノスフェラチュ−Nosferatu初期の吸血鬼映画−やドクター・モロウ、果てはボリス・カーロフやキンスキー（クラウス）、ピーター・ローレと言う、怪異な映画俳優の名が挙げられていることからも、ベーデキント−とドイツ表現主義的な初期の映画−に触発されたものなのだろう。また、別な歌詞では、Jack−ジャック−と言う名前を連呼しているが、このジャックは「切り裂きジャック」に違いないだろう。何しろ、その曲の歌詞カードのページは、血しぶきがデザインされているのだ。このアルバムは、都市（現代社会）で、抱かれる願望−夢−と、絶え間なく繰り返される痛み、加虐をロックで表現している。生ギターを掻き鳴らし叙情的に始まるが、数あるロックのアルバムの中でも、ハードなサウンドで聴きやすいものではない。詩の内容もさることながら、メタリカに依るノイズフルな演奏は、大方の現代視聴者が行うイヤホンで聴くに適しているかどうか、ヘッド・フォンやイヤホンを殆ど使わない俺には分からない。



　このアルバムは、自室でそこそこの音量で聴いても、ベース・ギターとシンセサイザーを重ねた重い低音を利かせたサウンドで、劇的な音楽世界を創っている。うかつに音を絞らないと、隣近所からの苦情を憚らねばならない。こうしたサウンドは、シンセや録音機材の進歩があってのことだろう、如何にも今、CDの時代の音に感じられる。LULU同様に重いアルバムと言えば、近年ではU2のNo line no the horizonが思い浮かぶが、U2は根っから希望を唄っているのだから大きな違いだ。ハードコアなサウンドを嫌が上にも煽るのが、ルー・リードのヴォーカルだ。その歌詞は「ことば」の直截性と相まって、朗唱−先に述べたビート派を始め、アメリカの現代詩人が行う詩の朗読−にも共通するダイレクトな表現だ。日本語の歌詞ではなかなか果たせない切迫した迫力がある。俺は何時もの様に洋盤を入手したので、歌詞をどんな日本語に訳したかは、分からない。簡潔ダイレクトな歌詞から耳に残ることばを拾うと「血（blood）」や「欺く（cheat）」「妄想（hallucination）」など、赤裸々なことばが印象的だ。サウンド、詞、共に表現主義的世界−正にベーデキントや初期ドイツ映画の雰囲気−をロック化している。

　　 　　　
　

　LOU REEDは1942年生まれ、ニュー・ヨーク出身。60年代後半、西海岸のヒッピーに対して、後にパンクを生むニュー・ヨークのアンダーグランド＜アングラ＞の存在を主張した。ヒッピーのマリファナ、LSDに対して、ヘロインを唄い現代都市の闇「ワイルド・サイド」をロックにした。先に言及したAlternative系ロックバンドR.E.M.もニュー・ヨーク出身と言うので、符合する。同時多発テロ後、先の3.11の際にもチャリティー・コンサートに積極的だったR.E.M.の近作Collapse into nowには、ニュー・ヨークパンクの女王とも言うべきPatti Smithがゲスト参加している。ルー・リードは彼女の先輩兄貴分、同時代人だ。

　

　ここまで書いたところで、新聞の音楽欄でも、ルー・リードの死を取り上げていた。その記事では、テレ・キャスターを抱えている写真が使われていた。

　記事で初めて知ったが、彼がローリー・アンダーソン（Laurie Anderson）と「夫婦」だったと言うのだ。ローリー・アンダーソンと言えば、マルチメディア・アーティストとして90年代日本でもアートの領域で盛んに紹介された。彼女のパフォーマンスは、音や光を巧みに展開するもので、ファッション誌などでも話題を呼んでいた。そんなアートとルー・リードのロックでは、異色の取り合わせと思った分けだ。ローリー・アンダーソンに関して、このところ活動の報がなかったのは、ルー・リードの死と関係でもあるのか、素人には分からない。ファンでも無い俺は、今日まで全く知らずにいたのだった。

　ルー・リードとバンドVelvet Undergrund、ヴォーカルのNICOらは、1960年代半ばWarholの庇護のもと活動を始めた。そのことを思えば、アートの世界と深い縁があるとも言える。ことにニュー・ヨークと言う場所は、現代アートの一大発信源だ。しかし、取りあえずロックとアートの接点を探る議論には興味がない。私生活はともかく、ルー・リードのロックを聴いている限り、エクセントリックなアートの世界は、お呼びじゃない。血と暴力、嗜虐に満ちた表現派風の暗黒世界を描いた劇画なら相応しいかもしれないが、そんな風に議論を文化一般にスライドさせるのは、ロックのパワーを削ぐばかりだ。彼の音楽をアートや文化の解説で解き明かしても意味はない。

　それにしても、ニューヨークと言う場所は、小さな世界に親密な人間関係−セレブレティーに依る−コラボ（共犯関係）が感じられる世界だ。以前、やはりニュー・ヨーク出身の女流批評家Susan Sontag（1933〜2004）が、女流写真家と夫婦だったことを死後に知ったことがあった。またかつて、パティ・スミスとメイプルソープが同棲していたり…　。俺は、私生活がどうのこうの言う積もりはない。ソンタグなど、ニューヨーク在住の作家達の肖像写真の流布の仕方や、その著書に意識してモノクロの肖像写真を使うなど、如何にもツボを心得た風な手際良いグラフックなデザインがなされることに、聊か違和感を覚えないでは無いと言うだけのことだ。新聞記事に依れば、ルー・リードは晩年、飲酒やドラッグも止め、太極拳に凝っていたことが記されていた。音楽的には、初期のまま、安易に希望を歌う様なポップ・ミュージックにはならなかったことは良かった。

　

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　新聞や雑誌の記事で著名人の消息を知ることは、良くあることだ。しかし、そう言うことが重要か、分からない。本、新聞、雑誌などの文章を読むこと、とネットで検索して「情報」を得ることとは違う。それに関して、前にジャズ本を読んでいて、ネットで素人が運営している音楽サイトに就いて、所謂プロの音楽批評家・ライターが寄せた感想に関して、気になる意見があった。それと言うのは、ネットにあふれる素人によるサイトの文章の殆どが、既に発表された文章の引用と、必要性の乏しい個人的意見が殆どと言うものだった。個人的サイトは、自己満足や甘えに満ちて、活字メディアに代わるには、未だ至らないと言う意見だった。


　個人は「情報」に就いても、出版社や編集者、プロのライターに、やはり遠く及ばないと言う結論なのだ。インターネットやブログで、勝手な引用が蔓延っているのは、俺も知っている。そんな文章は、この際どうでも良い。それでは、プロの批評や文章に十分説得力を感じるか、満足出来るかと言えば…。俺の編集者経験から言わせて貰えば、定期刊行の雑誌では、新刊紹介や新譜の情報などレギュラー・ページは、多くの場合プレス・リリースに準拠した記事になる。似た様な内容が横行するだけなのだ。署名原稿だからと言って、筆者の煮詰めた思いが吐露される分けでは無い。一般の読者に向け、より広く理解可能なことが目指されるからだ。筆者の専門性や動機はさておき、有名アーティストの来日や死など、書き手の事情以外のある種の条件によって、出版社の原稿依頼があって漸く発表の場が得られる。そうこうして、雑誌に文章が載っても「仕事でやっている」と言うことになってしまう。
　ルー・リードのロックを聴いている限り、ローリー・アンダーソンとの関係は、何も感じられない。それぞれ音楽に関わっていた、と言ったとしか言えない。誰かの音楽を聴いて、その音楽家の配偶者に言及するなど、聞いたことがない（ジョン・レノンの例もあるけれど）。或いはプロのライターなら、現地体験や様々な情報も盛り込んで書き込むかもしれない。それで良いのかどうか、その文章が良いか、それは読んでみなきゃ分からない。プロ・アマチュアの違いは関係なく、読み手や聴き手の力量、読解力が試されると言うことだ。これ以上、言うことはない。